メンタル食堂。うつ始めました

社員20万人を超える大企業で部長職にある50代男。うつ病、対人恐怖、視線恐怖、会話恐怖、自殺未遂、女性を好きになれないなどの苦闘の記録

髪が抜ける恐怖

私の父親は私が生まれた時、すでに

薄毛でありました。30代半ばの事です。

 

私がものごごろついた頃にはもう立派に

禿げといえる状況になっておりました。

 

幼い私は、かろうじて残っていた

中洲の部分がなくなった漫画を

書いたりして父親を笑っていました。

 

そんな自分も大学生になった頃、

自分の頭に異変を感じたのでした。

 

比較的毛量の多い、自分でしたが、

ある日、頭を洗っていて、そのボリュームが

減った事に気づいたのです。

 

よく見れば、洗髪をした手には抜け毛が

びっしりついていました。

 

その時から、私は髪が抜けていく恐怖に

さらされる事になります。

 

父親のようになってしまうのか。

毎日毎日鏡を見ては絶望の日々です。

 

抜け毛予防に良いとされる、トニックを

学生の身分で大枚をはたいて買いました。

 

頭皮に刺激を与える、たわしみたいな

機器を買ったりもしました。

 

とはいえ、振り返ってみれば、学生時代の

自分はとても薄毛というレベルではなく、

はたから見れば、何故薄毛予防?と

不思議に思われていたかもしれません。

 

その後、抜け毛が減ることはありません

でしたが、薄毛になる事もありません

でした。

 

よくわかりませんが、ヘアサイクル的に

抜け毛と同じぐらい新しい毛が生えて

いたんだろうと思います。

 

そうして、40代になり、1回目の

うつ休職をむかえる1ヶ月前ぐらいから

猛烈に抜け毛が気になりだしました。

 

1日に抜ける本数を数えたり、風呂場に

落ちている抜け毛の数を数えたり、

異常な状態に陥ったのです。

 

また、再生しない毛髪は先端が尖っている

事を知っていたので、そういう毛髪を

見つけては絶望していました。

 

もし自分がやはり、父親のように

禿げてしまうなら、死んだ方がマシ、

と思いつめていました。

 

その後、うつ休職に入ったため、

抜け毛どころではなくなり、抗うつ剤

効果もあって、あまり抜け毛が

気にならなくなりました。

 

そうして50代後半を迎え、なんとか

持ち堪えてくれた、私の頭髪。

 

私の周りにも頭の薄い人は少なからず

います。もし、自分だったら耐えられ

ないだろうな、と考える次第です。

 

もし、自分が父親と同じように

なっていたらどうなっていたか。

 

考えるだけでゾッとします。